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非上場企業の株価の評価方法はどう変わる?有識者会議#4の概要 【本編】

2026.08.07コラム

今回のコラムでは、第四回にて議論された内容に関して確認していきたいと思います。

前回のコラムでも触れた通り、今回第四回目の有識者会議に関しては、第二回:2026年5月11日、第三回:2026年6月4日の各有識者会議の意見内容を踏まえ、一旦の取り纏めがされた形となります。

第四回目の実施日は2026年7月3日、議事趣旨が2026年8月5日に公表されています。
議事要旨の作成に1ヶ月以上掛かっているところを見ても、かなり内容の濃い回だったことが推察されます。

第四回は、現に課税庁が問題だと捉えている株価圧縮スキームに関して具体的な言及もあり、
今後どの部分に規制をかけていきたいのかも明らかにされており、そういった意味では興味深い回となりました。

それでは内容を見ていきたいと思います。
(※内容の要約においては、公式の議事録の内容をベースに、一部筆者の見解に基づく編集が入っております。)

回の構成としては、

  1. 取引相場のない株式の評価を巡る主な論点(会計検査院・国税庁)
  2. 各委員からのご意見の整理・検討
  3. 当局として御意見いただきたい事項
    の3部構成となっています。

1.に関しては、
第一回の有識者会議にて課税庁が問題視していた論点が1枚の資料で再掲されており、特段新たな内容は含まれておりませんでした。
課税庁としては、議論があらぬ方向へ発散しないよう(議論の方向性が自分たちの主張へ沿うよう)、改めて問題視している内容を掲げている形です。

2.に関しては、
第二回、第三回の各委員からのコメント・やり取り・根拠判例等が整理をされていました。

そして第四回の有識者会議のポイントとなるのが、「3. 当局として御意見いただきたい事項」となります。
ここでは、各有識者の意見を元に今後の議論を行う上で課税庁として深堀りして検討したい質問が6つ挙げられており、
更には別添資料として「参考資料、裁判例等」、「具体的なスキーム事例(事例を簡略化したもの)」が提示されていました。

「具体的なスキーム事例」に関しては、課税庁が問題視している株価圧縮スキームが紹介されており、
第一回目の有識者会議で紹介された株価圧縮スキームよりもより具体的かつ現実的なものが多く、
専門家の感覚としても「そのスキームは確かに問題ですよね。。。」と納得がいく内容が多かったです。

言い換えると、今回例示されたスキームは、株式の相続・贈与・譲渡に当たって、現行の評価ルールに基づいて申告を行った場合、
「総則6項を適用されて税務否認される可能性が高いスキーム」であるとも言えますので、現在株式の移転を検討されている株主にとっても、
非常に重要な教示となると考えています。

◆紹介されていた株価圧縮スキーム(主なもの)

具体的に挙げられているスキームは計8点あり、詳細は【番外編】にて個別に解説させて頂く予定ですが、非上場企業の評価方法として、多くの会社に影響がありそうなスキームは、影響順に以下の通りです。

 ・問題視されている株価圧縮スキーム⑧ 【法人が貸付用不動産購入の3年経過後に株式を移転】
 ・問題視されている株価圧縮スキーム⑤ 【オペレーティングリースを活用した株価の圧縮】
 ・問題視されている株価圧縮スキーム③ 【会社規模操作による株価圧縮】
 ・問題視されている株価圧縮スキーム② 【配当還元方式を利用できる株主の作出】

◆有識者会議の議事要旨を紐解いた新評価ルールの方向性予想
今回の議事要旨に記載されていた事務局発言・有識者発言を紐解くと、新評価ルールは以下の内容が反映される可能性が高いです。

・類似業種比準価額の継続採用可能性は著しく低い。
・株価評価に関しては一本化される可能性が高い。(現行は類似と純資産の2本化)
・配当還元方式に関しては、現行の議決権比率判定ではなく、持株比率判定になる可能性が高い。
・株価と併せて税制改正プロセス(例えば継続事業であれば△80%の評価減が受けられるなど)が検討されるかは不明確。
・事業承継税制の見直しが並行して行われる可能性は高い。

◆今後の考察
今回の資料を見る限りでは、仮に現行ルールにある程度沿って改正を入れる場合、規制が強化されるのは以下の範囲になるのではと考察しています。
・配当還元方式に関しては、親族株主に安価で株式を移す活用ケースに関しては規制。
・オペリース等の会計上の劇薬に関しては、損益や評価の引き直しを実施。
・換金性の高い資産(収益不動産等)に関しては、個人資産税の評価ルールを準用。
・HD体制を取っているグループ会社に関しては、子会社含めたグループ全体の評価をHDの評価に取り入れられる方法を模索。

次回、第五回の有識者会議は2026年8月20日であり、新評価ルールの事務局案が示されるとのことですので、また議事要旨が発表されたタイミングでコラムにて共有させて頂きます。

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