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子供が複数人いる場合、株式はどのように分けるのが正解?

2024.07.31コラム

同族株主(オーナー様)と打合せをする中でよく話に上がるのが、子供が複数いらっしゃる場合に「同族企業の株式をどのように子供達に分けたらよいか」というテーマです。

経営者という立場で考えれば、「将来経営者となる子供にすべての株式を渡すべき」という方針になりますが、
親という立場で考えれば、「子供には平等に株式も渡してやりたい」という方針になります。

さて、どちらの立場・観点を優先すべきでしょうか。。。


私の経験上断言できるのは、経営者としての立場、すなわち「経営者となる子供にすべての株式を渡すべき」という考えを優先するべき、ということです。

例えば子供が2人いる場合、株式を2人に渡すことで、
 「2人で力を合わせて経営をしてほしい。」
 「経営にタッチしない子供にも、配当などを通じて利益を還元してほしい。」
と考える気持ちや希望は重々理解できます。
ただし、この判断が将来大きなトラブルを生むケースも往々にして存在します。

株式が分散した際のリスクは、よくある質問Q5-7でも触れていますが、
より具体的に、例えば株式を後継者となる子供(仮にAさん)に60%・もう一人の子供(仮にBさん)に40%を渡した場合の、代表的なトラブルケースを2つ見ていきましょう。

[Bさんが経営にタッチしていない場合]
(ケース)

Aさんは先代である父親の意向も汲み、利益が出た際には配当を出し、Bさんにも利益を還元できるよう、配慮をしていました。
Bさんも配当を貰えるので、Bさんは勿論、Bさんの家族もAさんに感謝しており、Bさんは当然株主総会などでもすべてAさんの意向どおり決議を承認していました。
そんな中、不幸なことにBさんに相続が発生しました。Bさんの親族が税理士に会社の相続税評価額を算出してもらうと、なんと5億円の評価となり、今まで貰っていた配当・今後貰えるであろう配当を考慮しても、到底相続税を払える金額には足りませんでした。
(考察)
勿論Bさんの親族が泣きつくのはAさんになります。
ここでAさんが株式を購入したり、法人が自己株買いをすることで相続税相当額を工面でできれば良いですが、
勿論相応の現金が必要となりますので、もし対応ができないとなると、非常に揉めますし、
もしその時すでにAさんが亡くなっていた場合、Bさん親族の対応はAさんの後継者がすることになり、過去の経緯が分からない分、より労力は増すことが想像できます。

[Bさんが経営にタッチしている場合]
(ケース)
AさんとBさんは当初は協力して経営を行っていましたが、徐々に経営方針がズレてきました。
先代の死亡と共にAさんBさんの関係性の悪化も表面化し、取り巻きもAさん派・Bさん派に別れてきました。
株主総会での揉め事(議案の否認)などはまだ起こっていませんが、今後の雲行きは怪しい状態です。
(考察)
この状況の中、Bさんは議決権比率の逆転を狙ってくるケースが多いです。
Bさんの議決権比率は40%、あと11%取得できれば過半数を握れるため、その方法を画策します。
勿論AさんもBさん保有の株式買取に動きますが、双方利害が一致していないため、合意は難航します。
最終的には会社分割や高額な株式の買取りなど、従業員も巻き込んだトラブルに、最悪の場合は訴訟にも繋がることになります。

如何だったでしょうか。
上記ケースは決して珍しくなく、私もよく同様の相談をいただきます。
会社のこと、子供のことを考えるのであれば、
「後継者が経営に集中できる環境を整えること」「議決権や株式を巡って子供同士が揉めない環境を整えること」が、先代経営者として、親としての重要なミッションだと思います。

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