コラム
事業承継において”最も重要な”後継者の仕事と役割
先代から後継者への事業のバトンタッチ。
事業承継では必ず通る道になりますが、
事業承継に際して、後継者に最も求められる仕事内容、役割は何になるでしょうか。
今回は今までの事例も踏まえて整理してみました。
事業承継を控えた、もしくは事業承継を終えた後継者の仕事や役割といえば、
・次の時代の成長を支えるビジョンや計画の発信
・新しいビジネスモデルの発掘や新事業の発足
・社内メンバーとの関係性の構築
・社内制度の改革
などを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
それは勿論正解ではあるのですが、個人的に最も重要だと考えている「仕事・役割」は、
「先代とのコミュニケーション」です。
親子間・先代後継者間で事業承継が上手くいかないケースを見ていると、
後継者がこの「先代とのコミュニケーション」をおざなりにしているケースが多いように感じます。
確かに気持ちはよく分かります。
ビジョンの策定や社内制度の改革などは、「自分がこの会社の代表なのだ」という実感も湧きやすく、
後継者にとっては非常に充実感を得られる仕事である一方で、
先代とのコミュニケーションは「まだ先代がこの会社の実質的な代表だな」という、
ある意味自分の経営モチベーションや肯定感を下げる時間、もっと言えば面倒臭い時間になりがちで、
自ずと後継者が敬遠してしまうのも無理はありません。
ただ断言できるのは、非上場企業においては、
先代が満たされない・納得しない限りは、後継者が理想とする経営は実現しないという現実です。
後継者による経営、そのなかでの新しい取り組みは、見方によっては先代の時代の否定に捉えられるケースもあり、
また古参社員にとっても面白くないケースもあり、結果、先代派と後継者派とで軋轢が生まれるシーンも当然にあります。
そんな時、先代と後継者がしっかりコミュニケーションを取っていれば事態は好転することもありますが、
コミュニケーションが不足している場合、後継者に批判の矢印が向き、
最悪のケースでは、最終的には想いを持った後継者が出ていく/追い出されるという悲劇も起こってしまいます。
(特に創業者からその後継者の事業承継の際に起こりがちです。)
後継者が自身の思い描く経営を行うためにも、最も敬遠しがちな「先代とのコミュニケーションを取る」こと。
これこそ後継者が最も時間を割くべき自身の仕事・役割と思えるかどうか、思うかどうかが、
事業承継成功の大きな分岐点になると考えています。